相続などで故人の口座が凍結されると言った記事は多いのですが、昨今問題になっているのは相続ではなく悪用された結果、凍結されてしまったというケースです。

今回は何らかの理由で本人の銀行口座が凍結されてしまったことによるデメリットを紹介することで口座の大切さを伝えたいと思います。

銀行口座を凍結されると振り込みで給与を受け取れない

口座を凍結されてしまうとお金を引き出したり預けたりすることができなくなります。犯罪に使われた可能性があるなど犯罪が関係してくるなどの理由で凍結されているわけですから解除するにも1日でといった単純な問題ではありません。

会社から支払われる給与の受取口座が凍結された場合、会社側は理由はわかりませんが給与が振り込めないので別の口座を用意して下さいと事務的に連絡をします。しかし、自分名義のどの口座を教えても振り込めないと事態へ発展していきます。

口座凍結はその口座が凍結された後、凍結情報が通達され全ての口座が順次凍結されていきます。これは事実上、振り込みできる口座が存在しなくなることを意味します。

とても深刻な問題です。

そうなると、給与を現金で支払ってもらう以外の選択がなくなるのですが会社側も不信感をつのらせ勘ぐりますから事態は本人が思っているよりも深刻になっていきます。実際に、会社に対して現金出金を希望したところ「なぜ振り込みができないのか?」と質問をされたという相談者さんがいました。その場では特に問題が無かったようなのですが後日、呼びだされ、

「銀行振込で給与を受け取れないから現金でくださいなどというのは他の社員に対して示しがつかないので今回限りにしてもらいたい。もし本人名義で銀行口座が作れないという事態が発生しているなら会社としては少し考えなくてはならない。わかってるとおもうけどそれなりの責任問題になると思って下さい。」

退社を示唆するような発言をされてしまったそうです。この相談者さんはヤミ金に騙されて新しく作った口座をだまし取られ、その口座をヤミ金業者が回収用の口座として使っていたため銀行口座凍結をされた経緯がありました。会社側にそのような事は言えませんので黙っていたそうです。結果としてこの被害者さんは退職することになってしまいました。

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闇金に口座を貸与した結果すべての口座が凍結された

この相談者さんは銀行口座を他人に渡してはダメと言うことは理解されておりました。しかし、バレても怒られて終わりくらいに考えており、給与や公共料金の支払い口座は別銀行だから大丈夫だろうと思っていたようです。ヤミ金に渡したのは新しく作った新規口座だから、それが止まっても問題無いだろうと思っていたとのことです。

ところが事態はそんなに甘くなかったのです。

新しい口座は相手に渡してしまった後わずか10日で停止しました。その間、銀行から

「不特定多数の振り込みがあることについて説明して下さい」

といった連絡が複数回あったそうなのですが無視をしていたそうです。

闇金が自分名義の口座を悪用するかもしれないという恐怖感は持っており何か罪に問われるのではないか?と思っていたことが銀行からの連絡を無視することにつながっておりました。これが最悪の事態を招いてしまいました。給料日を迎えるまで凍結されたことさえ気づかなかったと発言しております。

給料日当日、経理から給与が指定銀行に振り込めない旨の連絡を受け、ATMで口座確認をするためキャッシュカードを入れると、いつもと異なる画面が出現し銀行まで連絡くださいというメッセージが出てしまったそうです。キャッシュカードも戻ってこず、その時点で何か良くないことが起こっていると感じたそうです。

銀行に連絡をすると驚くべき事を告げられます。

「現在●●さんの銀行口座は利用停止となっております。詳しくは銀行窓口までお越しください」

ここで初めてことの重大さに気づくことになります。しかしもう遅いと言わざるを得ないのです。銀行は被害者さんを詐欺の片棒を担いだ人物との見方で対処しているからです。何度も申し上げますが、銀行口座は本人確認が厳しく例え親族であっても貸与する事はできません。従って、被害者さんが口座を他人に渡した段階で犯罪へ加担したとみなされてしまうのです。

この被害者さんは所持していた全ての銀行口座が凍結されてしまう事態へ発展してしました。

口座凍結されると出来る仕事が限られてしまう

生きていく上で仕事はとても大切です。日本では仕事の対価である給与は銀行振込が一般的で現金払いなどはあまり見かけません。

銀行口座が凍結されるということは銀行口座へ給与の支払いができなくなるということでもあるのです。やっと決まった仕事でいよいよ今日からスタートの段階になり会社側から給与の振込に関する書類を渡された時、その事に気づくことも多いようですからこうして記事にして危険告知をしておきます。

大抵の企業では給与受取が銀行振り込みで出来ないと伝えるとその理由を求められます。銀行口座を持てないなどと発言すればその場で退職勧告と同義の発言をされてしまうこともあるようです。銀行口座が持てないと言うのは社会通念上、非合法組織の一員か元一員である、もしくはお金問題に対して過去に何か問題がある可能性があったと考えられてしまうからです。企業は雇用に対して選択の権利がありますから、そのような人物を雇い入れることはしないというのが実情なのです。

口座を凍結されると一切の引き落としが出来なくなる

口座凍結されているということは、同時に引き落としもできなくなるということなのです。家賃や公共料金の支払いを引き落としにしている方でさえも、もし凍結されたらコンビニや役所に行って支払いをすればよいから問題無いなどと簡単に考えている方がいて驚きます。厳しいことを言うようですが、甘い考えだと言わざるを得ません。

引き落としができなくなるということは、銀行や消費者金融でローンが組めなくなる可能性が飛躍的に高まることになります。さらに、すでに組んでいるローンなどについても繰り上げ返済を求められたりすることもあるようです。銀行口座が使えないとなると現金でのやり取りしか選択肢が無くなります。金融業界は何より未払いの発生を懸念します。決済方法が多彩であるということは色々な業界で信用があるから未払い率が低くなるという考え方をするのものなのです。こうしたベースがある業界で一番リスクのある現金でのやり取りしかできない人物が注意対象になってしまうのは致し方ないことではないでしょうか。

クレジットカードが作れないという方がどこに行ってもローンが組めないというのと似ているかもしれませんが事態はもっと深刻で壊滅的な問題なのです。

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銀行口座凍結を解除する事は可能か?

※記事をアップした時よりも現在の方がより深刻な問題になっている銀行口座のだまし取り詐欺問題について口座を解除するためにしなければならないことをまとめた記事をアップしました。特に警察による銀行口座の凍結問題に悩んでいる方の解決に向けたアドバイスになりますので同問題を抱えている方は一読ください。

あまりにも影響が大きすぎるため現在、預金保険機構などは凍結口座の解除手続きに関する情報を提供しております。凍結された口座は永遠に解除できないのか?と言われればそんなことは無くなってきております。

ただし、あくまでも表面上は、と言うことです。

先ほども申し上げたように銀行は顧客を選択する権利があります。一度でもアヤがついた人物を再受け入れするほど寛容では無いのです。お金を商品として扱うということはそこまでシビアにならなければならないほど神経質なことなのです。

具体的に申し上げあると、闇金被害者さんが口座をだまし取られてしまい結果的にその口座が犯罪に使われてしまったとします。銀行は自主的、通達は別として口座凍結をして犯罪が拡大しないような手続きを取ります。

被害者の方が証拠を集めて、

「自分は加害者ではなく騙された被害者であることを立証することで口座凍結はできるはずだ。」

と主張しても個人でなんとかするのは難しいようです。銀行が解除すると認めるに足りるだけの必要情報を集めることが出来ないと言うのも1つの要因ですが、当事者が何を言っても、過去に自分名義の口座を他人に貸与、譲渡した履歴のある人物の発言が信用性に足りることは無いというが大きいようです。また凍結の発端となった口座は解除される可能性はほぼ無いと言うことについても知っておく必要があると考えます。

ではどうするか?

残念ながら個人、当事者で銀行口座の凍結解除をすることは現実的ではないと言えそうです。こうした問題については第三者である法律の専門家にお願いするしかないと当サイトでは考えております。それでも100%解除できるという保証はありません。あくまでも選択肢の中では一番有効であろう、と言うことしか言えないのです。

結論として、口座は凍結させてはならないと言うことです。

銀行口座が凍結されてしまった方で何をどうすればよいかわからない方や次々と口座が凍結されている方は下記の相談ダイヤルまでお電話ください。

銀行座問題に精通している専門のスタッフが状況を詳しくお伺いして何が出来るのか?何をしなければならないのか?を具体的にして適切なアドバイスを行います。

ただし、当事者以外のご相談(親族、友人が口座凍結された等)についてのご相談はお断り致します。