近代闇金はシステム化された役割分担制
闇金解決相談員です。貸します詐欺が振込め詐欺の分派となったことで闇金グループは一時数が減ります。
しかしまた増えてきたのです。
それはなぜか?
今回から複数回にわけて近代闇金の手口についてご説明してまいります。
近代闇金の定義は様々ですが当サイトでは貸金業登録番号を取得せずに営業することが常態化し融資保証詐欺以降を指しております。
先に特徴をまとめると、近代闇金は徹底して身分を隠すこと、電話による営業、システム化の3点であると言えます。
近代闇金手口、押し貸し詐欺の出現と特徴
※融資保証詐欺から派生したと思われるこの手口は2015年の現在も猛威をふるっており大変に悪質であると言えます。
※※2020年現在、押し貸し詐欺は他の詐欺に比べて圧倒的にシェアが少なくなっております。しかし絶滅した訳ではなく一部の闇金では携帯電話契約詐欺が出来ない顧客や老人などを対象として営業しているようです。
押し貸し詐欺の登場により業者の大半はネットからの集客に意向しました。
それまでの闇金、貸金業の根底を覆すような斬新なやり方は多くの被害者を生みだすことになりました。
私見ですが、この詐欺の出現には他の詐欺ジャンルのグループの関与があったのではないかと思うのです。
商品を勝手に個人宅に送りつけて難癖をつけて支払いを要求すると言う「商品送りつけ詐欺」とでもいうべき手口があるのですが、そのグループが商品の代わりにお金を振り込むというアイデアを生み出したのではないかと思っているのです。
押し貸しの手口は下記を参照頂ければと思いますが、この詐欺の出現に合わせて闇金業界全体の仕組みが変わっていく事になるのでここではその点について詳しく書いていこうと思います。
徹底した身の隠し方
この手法ができてそれまでの闇金グループの活動方法が一変しました。
まず、彼らは事務所を持たなくなりました。それまでは事務所名義や固定電話の名義はグループの人間や関係者を使っていたのですが、全く関係ない第三者を使うようになってきたのです。
事務所に至っては、決まった場所がなく点々としていることもあるようです。
被害者相談で背景が見えてきたのですが、明らかに外や、公園であったり、別のビジネスをしている事務所の一角であるかのように周りの音楽がうるさかったりすることがあるそうなのです。
さらに、同じ人物なのに毎回、電話の後ろの雰囲気が異なっていることが事務所を転々としていると判断する所以です。
次に電話番号ですが、携帯電話や非通知で連絡をしてくることが多くなったのです。それまではサイト上では一般の消費者金融と同じように見せる事が大切であると思われていたのかフリーダイヤルや固定電話の番号表記で連絡がきておりました。
しかし、この頃からサイト上に電話番号を記載しなかったり、携帯電話で連絡してくることが多くなってきたのです。闇金融が使っている携帯電話はトバシといわれる名義人が自分たちではない電話を使っているため、闇金業者の特定を妨げて捕まるリスクを回避することが目的であると言えます。
固定電話でも逆転送があるので安心は禁物
電話については固定電話でも安心ではないようです。
電話屋と呼ばれる固定電話の回線を大量に所有し、転送電話にして通常よりも高値で販売する業者の存在が確認されてきました。
違法業者とつるむ行為は法律で禁止されています。
通常の電話を高い値段でレンタルしているということは当然、リスクを承知で貸していると考えられますが、おそらくは電話屋自体は知らなかったと言うことで警察の追及をかわしているのではないでしょうか。
固定電話の契約者はレンタル電話会社であり、警察からの捜査に対しても、「販売先がそんな行為をしているなんて思いもしなかった」と言えば警察としても考えなければならないのだと思われます。
但し、最近では電話屋が逮捕されるケースもでてきました。
転送電話とは、たとえば03番号にかけているとおもっても実際は、携帯電話に転送されている状態で、その携帯電話がトバシ電話であれば、業者の特定はかなり難しくなります。
さらに、逆転送と呼ばれる、携帯電話から電話をすると03発信になる電話もレンタルされていると言われております。
本来は事務所を持たない個人事業主などが携帯電話だと信用性が無いので、逆転送サービスを利用して安心してサービスを使ってもらうことを意図したものだと思われますが、違法行為をして良いと言うことではないのです。
最後は銀行口座です。押し貸し詐欺は振込んだお金に対してどれだけ搾り取るかが闇金側の腕の見せどころになります。
この時、どうしても返済用の口座が必要になりますが、押し貸し詐欺ではほぼ100%の業者が個人名義の口座に振込めと指示してきます。
この口座は他人名義の口座を買い取ったり、口座が使用できるか確認したいなどと甘言を弄して自分たちで調達しているようです。
これを飛ばし口座と呼ぶそうです。
※口座は本人以外の使用が認められていない商品になりますので、これを破ってしまうと口座の名義人である被害者さん自体が罪に問われる可能性すらあるのです。(犯罪収益移転防止法に違反)
こうした徹底した身の隠し方を行い、さらに現場には新しい手法が芽吹いてきていました、それが九州方式と呼称される詐欺の新手口です。
闇金の新手口、受付部署を作った九州型
数年前から押し貸し詐欺で取りれられたやり方で、
受付方式
と呼ばれているものがあります。
九州に端を発したやり方だとも言われており、九州型とも言われるらしいですが由来は分かりません。
言えるのは、現在の押し貸しの多くはこの受付方式を採用しているということです。
これは、申込をすると最初に電話がかかってきて仮審査をするために必要だと言って、勤務先や家族構成、自宅、実家の電話番号を緊急連絡先と言って聞き出す電話がかかってくるやり方です。
安心感を演出するため、最近では女性が電話してくることが多いようです。被害者さんの話をまとめてみると、受付方式のカラクリが透けて見えてきました。背景には2つの仕組みがあるようです。
まず、受付と呼ばれる部署が宣伝したサイトに申込みをした顧客情報を一括で管理します。
そこで、「仮審査をするため」と言う名目で記載されたインターネットの申込情報に加えて、勤務先や実家など聞き出す作業をします。
これは、
身内聞き出し、裏取り
などと言われるようです。後述する携帯電話契約詐欺と異なり、裏取りは複数の連絡先を聞き出すことが特徴であると言えます。
そうやって1人の個人情報に本人の勤務先や住所、家族の電話番号など本人以外の連絡先が付け加えられた1枚のリストが出来上がります。
このリストを個人闇金に販売しているようなのです。
この方式の場合、担当と呼ばれる人物から携帯電話で連絡がかかることが多く、
「融資を担当させていただく●●です。仮審査が通りましたのでご連絡いたしました。」
などと電話してきてい実際に何をすればよいかなど具体的な指示をしてきます。
わかりやすく説明すると、押し貸し詐欺の構図はこうなります。
◆押し貸し詐欺構図◆
被害者
↓ 申込
闇金サイト
↓
受付部署が情報を受け取る
↓
被害者へ情報の補足電話をかける
↓
完全なるリストが完成
↓
個人闇金090金融へ販売
↓
個人闇金が担当者を名乗って電話
↓
押し貸し
押し貸し詐欺は融資ではない
これは詐欺であり闇金ですらも無いのです。
特殊詐欺はその名の通り詐欺ですから融資は行っていません。
最初に振り込まれてくるお金は詐欺のタネ銭ですから融資ではありません。
そして、信用を作るとか、返済履歴を作るなどといって永遠に小額のお金を週単位で支払わせ続けることを目的としています。
そのため、いつになっても信用なるものは確立されず、希望する融資も受けることは出来ません。
支払いができなくなれば徹底した嫌がらせをして最後の1円まで搾り取りにかかります、それが押し貸し詐欺の招待です。
さらに、相手の指定した口座にお金を振り込みしていると自身の銀行口座が凍結される可能性があるので気を付けてください。
闇金が使っている口座はトバシ口座と呼ばれる他人から騙し取った銀行口座であり違法です。
その口座は犯罪にかかわっている口座ですから、警察または弁護士などにより凍結されます。
その時に、被害者であるアナタの口座も同時に凍結されることがあるのです。
先ほど申し上げた犯罪収益移転防止法に違反している容疑をかけられたということです。
銀行口座が凍結されると復活することはまず出来ません、一生その口座は使えないばかりか名義人であるアナタの持っている全ての銀行口座が凍結される可能性が出てきます。
これが押し貸し詐欺では頻繁に発生しているのが大問題なのです。
押し貸し詐欺の被害者は
被害者は個人でなんとかしようなどとは思わないでください、まず無理です。
相手がそのまま逃げてくれればラッキーですがトバシの電話、トバシの銀行口座で完全武装していると思っている闇金業者はイケイケで被害者を追い詰めてきます。
とくに知識が乏し駆け出しの掛け子や悪いことをしていることをカッコ良いと思っている知能レベルの低い掛け子ほど感情マックスで怒鳴り散らしてきた上、嫌がらせをしてきます。
勤務先へも自信満々で電話してきますから厄介なのです。
従って、この詐欺の被害者はまず法律のプロに相談して問題を洗い出し、その上で士業介入してもらってください。
闇金、とくに特殊詐欺は徹底して勤務先へ嫌がらせの電話をかけてきます。
ひどくなると複数の電話端末を使って一斉に会社に電話攻撃をしてきます。
そうなるとクビになってしまいますからその前に士業を介入させてください。
近代闇金の取り立て/嫌がらせ
昭和のオイコラと平成の坊主グラサンピアス系闇金では取り立て方法も全く異なります。
一番の違いが、
昭和は本人を徹底的に追い詰める
に対し平成は、
会社や緊急連絡先など知人や会社に嫌がらせをする
です。
まわりに迷惑をかけまくることで職場に居づらくさせたり、知人などとの関係を壊しにくるのです。
そうされたくなければ、金を払え!ということです。
ある意味では平成の取り立てのほうがえげつないです。
これをやられるとまず会社はクビになります。知人や両親、親族、上司などを緊急連絡先で教えていると、
「なに勝手に闇金に俺の/私の電話番号おしえてんだよ?」
と言われます。最悪の場合、警察に駆け込まれた際にアナタの名前も言われてしまいます。
そうなると警察から事情聴取される可能性がグッと上がります。
もちろん被害者として扱ってはもらえません。
そうなってしまうと会社もクビになり親族からは破門同然となり、さらには警察にもマークされることとなります。
そうならないために当サイトでは被害者は必ず法律の専門家に相談するようにアドバイスをしているわけです。
連絡先がわからない方は以下に、無料で相談できる被害者専用ダイヤルをリンクしておきますので電話してみてください。
無料相談ダイヤル:ウイズユー司法書士事務所
まとめ
近代闇金の徹底した嫌がらせについては次回のブログで書いていきます。
闇金業者の歴史を知りたい方は過去記事を以下しておきますのでご確認願います。