今回の記事はあくまでも当サイトの私見です。一定の情報をもとに記事の作成を行っておりますが弁護士事務所では無い当サイトが法律事務所のような表現を使うことは認められておりません。
特に今回のような記事の場合、誤解を生む可能性があるので冒頭にてしっかりとご理解をお願いいたします。
口座凍結を妨げる過去履歴
銀行口座の凍結問題は今年大きな社会問題になるのではないかと当サイトでは予想しております。それほどまでに闇金業者、詐欺業者が他人の銀行口座をだまし取る詐欺が横行しているからです。彼らに対しては一片の情もわいてきませんが可哀そうなのはその被害者です。
現在までにかなり多くの方から銀行口座凍結問題についてご相談を頂きました。その内容を精査した結果、見えてきたことがあります。凍結解除が困難になるのはこんな方々であると分析します。
・過去に同じ問題を起こしている
・逮捕歴・罰金刑がある
→過去に同じ問題を起こしている
一般的に考えて再犯と判断されるわけですから当然ながら世間の目も警察の目も厳しくなります。銀行の目も同じです。実際のケースを交えて説明します。
【実話例】
以前、お金に困って銀行口座を業者に売ってしまったがその時は怒られたが何にも罪に問われなかったのでまた売ってしまった。すると今回はお金も振り込まれず相手業者と連絡が取れなくなってしまいその後、銀行から連絡がはいり事情説明をしてほしいと言われた。銀行に出向くと都道府県がバラバラの不特定多数の個人から入金があるので何の事業をしているか説明してほしい、透明性が確認できるまで利用を停止させてもらいますと言われた。
そこで前回と同じく財布をおとしたことを説明したのだが、警察への届け出義務をしていない、銀行に紛失届、利用停止依頼をしていな理由等を細かく訊かれ適当に返事していたら警察を呼ばれてしまった。
警察署に行ってから同じような質問を何度もされたので正直に口座を売ってしまったことをはなした。
「大変に後悔してはいるがお金をもらえなかったので詐欺罪で被害届を出したい」
と言うと警察官から大変に怒られた。その時は特に逮捕とかされるわけでもなく返された。
後日、別の警察から連絡があり事情を詳しく訊くと他府県で私の口座が振り込め詐欺に使われていると被害届があり銀行に対して利用停止手続きを出した。私がやった行為は犯罪者を助ける行為で謝って済む問題では無い。認識が甘いにもほどがあると怒られた。
そこで素直に口座を売ったことをはなし、
以前も売ったけど処罰されなかったので問題ないとおもっていた、今は反省しているのでもうしない。
と警察官に伝えたが全く聞き入れてもらえなかった。
その後、自分が持っている銀行がどんどん凍結されてしまい銀行からは強制解約といわれるし、新しい口座を作りに行っても新規の発行はできないと言われた。明らかに前回と異なるので関連して凍結された銀行に連絡をすると、
「警察主導によりリストに名前があるので利用を停止させていただいた」
と説明された。口座凍結した警察署を教えてもらい連絡をすると以前に話をした警察官が出て
「あなたの口座が犯罪グループの集金用口座として使われているので対策をとった。あなたは以前にも口座を売ったと自身で言っているので今後も事件の捜査の進展によっては詳しく話を伺うこともあるかもしれない。」
と言われた。新規口座も作れないし持っている口座も期日が来れば強制解約されてしまうため困り果てて弁護士に相談しました。
この相談者さんからの報告ですがその後についてもお伺いしているので続けてその後を記載していきます。
法テラスに相談し無料相談を利用してみたが私がやったことは言い訳が出来ないみたいで私自身も犯罪者になる可能性があると言われた。無料相談を3回したが結局なにも進展しないままで役に立たないので他の弁護士事務所に相談すべくネットで検索をした。
1つだけ話を聞いてくれて出来る限りのことはすると言ってくれたのでお願いをしました。すると数日してから連絡があった。
口座凍結をした警察や銀行などに書類を送ったり電話してくれたりしてくれ進捗を報告してもらった。担当の方がいうには、私は警察官に対して以前も同じように口座を売ったがおとがめナシだったので今回もお金を得るために口座を売っている。と指摘されたが本当か?と言われたので前に警察官に言いましたと伝えると、
「それはマズイですよ。過去にも同様の事案があるとなると話は難航するというか口座凍結を解除するのは難しいかもしれません」
と言われた。
「なぜですか?以前はなんでもなかったのにどうして今回だけこんなに厳しいんですか?」
と質問すると、
「そもそも銀行口座を転売する行為は犯罪なんですよ。前が大丈夫とか今回が厳しいとかそういうことではないんです。あなたのやっている行為は犯罪と言われても反論できないんですよ?今回が初めてであったとしてもこのご時世、知りませんでした!なんて言い訳にもならないんです。」
ここでも説教されました。ならなんで前の時に逮捕しないんだ!と叫びたくなったし前の時は誰もそんなこと言ってくれなかった。私の中にはどうしても今回だけ厳しいというイメージしか無い。
結果としてその法律事務所からは、
「残念ですがこれ以上ご協力することはできません。前にも銀行口座を売っていたということを事前に教えていただいていたなら最初からお受け出来ないとおはなししているところです。」
どうしても納得がいかないので、
「それならお金返して下さい。他のところに頼みますから」
と文句をいうと
「着手金としていただいている費用についてはご返金はできません。そのことはお受けする前からご説明させていただいているはずです。またご自身に都合が悪いことを隠しておはなしされていたことを今になって言われて態度を代えて返金して欲しいというのは承服しかねます。」
と冷たく言われました。本音では、そっちが訊かないから言わなかっただけですけどと思いますがそういうことじゃないんでしょうね、きっと。そういうわけで銀行口座止まったままなのでなんとかなりませんか?
以上が当サイトに相談されたお電話の内容です。
※固有名詞や個人を特定できる表現は避けて文章として再構成しております。
これは紹介した一例にすぎません。警察、銀行と被害者の間の見解がかなり異なっているのでわかりやすい例として紹介しました。ここで大事なことは
・謝れば状況をリセット出来るという勘違い
・昔がOKだから今もOKという勘違い
・被害者という勘違い
被害者意識と一般的な常識の間に大きな溝が出来てしまっているこのようなケースは意外にも多いのです。被害者意識が強いため警察批判をしたり銀行批判、さらには助けてもらっている法律事務所に対して逆ギレという行動を誘発することも珍しくはありません。
何よりも違法になるかもしれない行為を昔がOKだったので今でもOKだろうと考えなしに行動に移すことが間違っています。
そして世間はその間違いを許すほど寛容では無いのです。
勧善懲悪の水戸黄門のような時代になってきているのです。犯罪を犯したならばしっかりと罪を償ってきなさいというのが現代社会なのです。一般社会がそのような状況を望むからこそ警察は詐欺の取り締まりを強化しているわけです。
そして今、銀行、警察に限らず社会はその人物の過去履歴をしっかりと調べるような風潮になってきております。過去に何かがあれば色眼鏡で見られてしまうことを当たり前だと認識しなければなりません。
きれいごとでは無いです。
過去に犯した罪はしっかりと刑務所、罰金で償いましたというのは法律上でのことであり一般社会はそこまで割り切れてはいないのです。さらに日本は詐欺について過敏なまでに神経質な国です。銀行口座を他人にゆだねることが何を意味するのかを考えもせず身の保身やお金のために軽はずみな行動をおこなしたならば、その責任はしっかりと受けなければならないのです。
銀行口座の凍結解除が少し理解されるようになった
3年前ならば一度、凍結された銀行口座は二度と解放されることはありませんでした。しかし現職の議員が特殊詐欺の被害者になり銀行口座を凍結されるなど社会問題としてメディアが取り上げたことの影響などで以前より若干ではあるが凍結解除率が上がってきています。
傾向としてはソフト闇金や押し貸し詐欺業者など実際に被害者にお金を振り込んでいるケースに当てはまっているようで銀行口座を売ったり貸したりした場合はこの限りではありません。
銀行に問合せをすれば口座凍結依頼を出した相手がわかります。現在ではほぼ警察です。被害届が受理された段階で凍結依頼が銀行に出ます。公的機関ですから銀行が口座の凍結依頼に反論することはほぼありません。
その後、捜査に入ると被害者は一時的にも加害者の可能性があるとして捜査対象者になります。口座を売買したり貸与している方はこの時点で被害者扱いではなくなります。従って何を主張しても結論が覆る可能性はほぼなくなります。
しかし被害者が被害者にお金を振り込んでいる(通称、客振り)等の場合は情状酌量が認められるようになってきました。
すでに犯罪に使われている口座の凍結解除は変わらず解除される可能性はありませんが、被害者→被害者の場合は善意の三者を考慮されるようになったと考えられます。
とはいえ、銀行口座の凍結が解除されるまでは時間がかかり、捜査協力をし銀行に連絡をして手続きをする必要があります。
また警察、銀行ともに闇金が勝手に連絡をしているわけではなく、被害者から闇金に対して融資依頼をしている点を大きく考えますから被害者に向けられる視線が厳しいことに代わりはありません。
この記事に期待を持って読まれている方には申し訳ありません。今回の記事はアドバイスではありません。当サイトへ寄せられた多くの被害相談から銀行口座の凍結に関する現状を当サイトなりに分析した記事です。
数多くの銀行口座凍結相談を受け感じたことは
過去に同様の過ちを犯している人の銀行口座の凍結解除はほぼ不可能
※口座を売買した方、最初に凍結された銀行口座の凍結解除、新規で銀行口座を作る方法の相談は行っておりません。
私もついこないだ、銀行口座凍結されてようやく解除されました。
私の場合は口座を売ったり譲渡したりではなく、
闇金の借り入れや支払いに使った口座が凍結しました。
闇金の借り入れはほぼ振込で行われますが、私の借り入れ枠に対する振込額が誰かの返済額と一致して
口座をあまり持たない業者から借り入れたようで、
いわゆる客振という状況で借り入れたようです。
銀行に問い合わせて、止めた警察がわかったので電話して
捜査協力してそれから1ヶ月後くらいに解除の連絡が来ました。
この間、協力に当たって口座を止めた兵庫県警と電話のやり取りが複数回、
協力の為に振込の明細提供に兵庫までは行けないので地元警察に出頭して協力、
銀行口座の凍結解除に当たって銀行の支店に出向いて書類にサインが必要と言われて
現在は銀行の支店に出向いて行く前です。
これら全て、9時~17時(銀行窓口は15時)の平日にやらねばならず、
しかも給与振込口座にしていた口座で給料日直前の凍結で
慌てて振込口座変更してもらったりと
口座売ってなくてもこのように煩わしい思いをしました。
闇金に借りるとこんな面倒も起きると知って頂ければと思います。
ぐーみんさん。
銀行口座の貴重なる情報投稿ありがとうございます。以前に比べればいくらか被害者に対する警察、銀行の態度も軟化してきたとはいえやはり被害者が圧倒的に不利であることに代わりはありません。
ソフト闇金と呼ばれる短期高利貸や押し貸し系の詐欺についてはぐーみんが指摘されたような「客振り」が恒常的に行われており警察もその実態を把握はしていますが被害者から被害者への振込が立証しずらく結果として犯罪抑止の為に銀行口座を凍結せざるを得ないのが実情です。
このケースは銀行側がしっかりと対応したとてもラッキーなケースであるとも言えます。
同じように警察に協力し犯罪に巻き込まれたことが確認できたにもかかわらず銀行口座の利用再開については全く応じてもらえないケースも未だに存在しています、。
ぐーみんさんが文末でご指摘されたように、闇金と関わると面倒であるということを今一度、ご理解願います。