過去に同じように銀行口座を手放した人が同じことをして銀行口座を凍結を凍結されると銀行口座の解除は難しいという記事を書きました。今の社会が過去履歴を大切にする風潮になってきていることが要因ですとも書きました。

犯罪になるかもしれないような行為を繰り返す人物に世間は寛容ではありません。それは警察も銀行も、法律事務所とて同じなのです。さて今回は紹介出来ませんでしたもう1つの事例について記事を書きたいと思います。

前回の記事を読まれていない方のために前回記事を改めてかいておきます。

 

現在までにかなり多くの方から銀行口座凍結問題についてご相談を頂きました。その内容を精査し銀行口座凍結の解除が難しいケースが分かってきました。

・過去に同じ問題を起こしている

・逮捕歴・罰金刑がある

 今回は逮捕歴・罰金刑があるケースについてです。当たり前に思う方も多いかもしれませんがこれも銀行口座の凍結解除に大きな影を落とす要因であると当サイトは位置付けております。

→逮捕歴・罰金刑がある

【実話例】

昨年の秋にに携帯電話宛てに電話が掛かってきて副業しないかと持ちかけられました。専業主婦が家でも出来るアルバイトと言うことで申し込みをしたことがあるのでそこか、もしくはどこからか情報が漏れたのだと思います。家に使っていない口座があったので売ってしまいました。1枚あたり毎月3万円を払うと言われたので1枚を売ってしまったんです。

その時は副業だと真剣におもっていたし業者は、

「お金持ちの税金対策として口座を利用するので犯罪業者に渡すことはしませんから安心して下さい。」

と言ってましたので信じ切ってました。それからしばらくして銀行からハガキが届いて私の口座に不明なお金が入ったり出たりしてるから説明してほしいと書かれてましたので銀行に出向きました。

するとそこに警察の方もいて話を聞きたいからと警察署まで同行して下さいと言われ同意し行きました。そこで警察官から口座を売ったんだろうと言わました。まるで犯人であるかのような言い方にハラが立ちましたので、

「私は犯罪行為はしてません。副業で銀行口座を貸してくれと言われたので貸しただけです。被害者じゃないんですか!」

と警察の非礼に対して文句を言いました。すると警察官の方が、

「銀行口座は貸し借りなんてできません。あなた自分のしたことが分かってるんですか?銀行口座を貸したんですね?」

と冷たく言われ自分のやったことがなんなのかわからなくなり、

「だって知らなかっただけです。というか何なんですか?これ?」

事態がわからないので質問すると、

「何も聞いていないんですか?あなたの銀行口座が詐欺に使われているんです。被害届が入ってるんですよ。」

「はぁ?」

「あなたの口座は犯罪に利用された形跡があるかもしれないので事情を伺っているんです。」

「・・・・しりませんから!」

「もし騙されたということだったとしても知りませんと言うわけにはいかないかもしれません。これから捜査していく過程で改めてお話を伺うこともあると思います。」

「・・・私逮捕されるんですか?」

「捜査してみないとわかりませんが可能性がゼロとはいいません」

相談者の話をまとめましたが本人がかなり感情的な面もあるので実際の警察官が一語一句間違わずにこう発言したということではないことをご理解ください。

※電話での話を出来るだけ忠実に文章に起こしておりますが固有名詞や個人を特定できる箇所は表現を変えております。

結果としてこの方は罰金刑に処されました。警察官からは確かに詐欺グループと密に接点があるわけではなくまた詐欺に共謀する意図があったわけでもないと理解はしてもらえましたが、銀行口座を転売する行為自体は過失を問われた格好です。

昨年から銀行口座にかかわる問題について警察は厳しく取り締まりを行っております。ある記事では、闇金に脅されて銀行口座を闇金業者に渡してしまった人が「犯罪資金移転防止法」違反で逮捕された記事が紙面を踊りました。どんな理由があるにせよ犯罪者に銀行口座をわたし、それが悪用されれば被害者ではなく加害者として処罰対象になるということです。

今回のケースではそこまでにはなりませんでしたがほどなくしてこの方の銀行口座が止まり始めました。

ここからが後半です。

正直なところ罰金を支払って終わったと思ってました。ところがそれから少しして銀行に預金確認をしに行ったところ銀行口座が使えなくなっていることがわかりました。口座買取業者に渡していない口座で自分の生活用口座です。

なんで止まったのかは何となくわかっていたので銀行に電話するとやっぱりという回答をされました。

「○○さんの名前がリストに載ってますので利用を停止いたしました。」

「はい、でもその件は警察に行って罰金を払ったのでもう終わったことなので早く銀行口座を使えるようにしてください。」

「いえ、警察からのリストに名前が載っているので解除することはできません。リストについては警察にご連絡ください」

「はー。わかりました」

それで警察に電話したんですよ。そしたら当時の警察官の方から、

「銀行口座の凍結解除は警察の仕事ではありませんから銀行と直接お話しください」

と言われたんで、銀行に電話するとさっき言われたことと同じことをまた言われたので、

「どっちに言ってもお互いがっていうばっかりじゃないんですか!なんなら裁判でもしますか?口座が使えないので損害が発生したんでってことで損害賠償請求しますよ」

「おっしゃられている内容が少し変わってきてしまったように思えます。ただ当行としてご利用を再開するには先ほどから申し上げているように・・」

とここでハラ立ったんで電話切ったんですよ。それでその後、法律事務所に電話したりしたんですけどなかなか受けてくれるところがなくて、どこも私が悪いみたいな感じだったんですよ。ただ、1件だけ受けてくれるところがあったんで相談してみたんです。

そこでも銀行口座の凍結が解除出来ることは約束出来ませんが最大限の努力はしますみたいな感じだったと思います。

出来るか出来ないかで答えてくださいと言ってもそんな感じでした。

でも他では断られるばっかりだったんでそこに頼みました。その後、1週間だか10日位して電話が掛かってきたんですけどそこで変なこと訊かれたました。

「○○さん、以前に警察にご厄介になったことってありませんでしたか?」

「どういうことですか?」

「いや、前に警察に逮捕とか罰金とか払ったことありませんか?」

「前科ってことですか?罰金なんて交通違反とか一時停止違反でありますよ。あと昔、逮捕されたことあります。でもちゃんと罪は償いましたけどなにか?」

「わかりました。」

「なんなんですか?」

「いえ、また改めてご連絡します。」

また1週間くらいして電話が掛かってきたんですよ。それで依頼を断られました。

「○○さん申し訳ありませんがこれ以上依頼をお引き受けすることはできません。」

「どういうことですか?」

「このまま続けていてもおそらく○○さんの銀行口座の凍結を解除することはできないと判断します。従ってこの依頼を弊社で継続的にうけても解決することは難しいと判断しての結果です。」

「つまり私が何かしたんですか?」

「他の法律事務所などで改めてお願いしてみてください、では」

結局、この方も銀行口座の凍結解除はできませんでした。このケースは多数ある中の1例でしかありませんがこの1例だけはなく多くの似たようなケースと併せて考えると、ある共通点がありました。但しこれはあくまでも当サイトの私見であることをご理解願います。

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今回の件でいえば共通点は、

逮捕歴・罰金歴

でした。法テラスなどに相談した方からなどからも同様のお話が入っており似通ったケースにおいて銀行口座の凍結解除が出来ていない事実が浮かび上がってきました。確かに逮捕にしても罰金にしても罪を償えばその方は二度裁かれることはありません。そして罪を償っているの新しい人生についてまい進していくことができます。

しかし現実はそこまで優しくはないようです。

過去に逮捕された履歴は当然ながら警察に記録されます。罰金についても同様です。その程度により保存される年数は異なるのかもしれませんが1日で消去されるようなことはないといえるでしょう。

闇金と関わってしまったことにより銀行口座が凍結されてしまった方々でも改めて解除できた場合もあればその後解除出来ない場合もあります。どちらも凍結をした担当者の裁量が大きいのかもしれません。しかし当サイトの分析から過去に逮捕歴や罰金歴がある人は凍結解除に至らない割合が他の人よりも高いとの結論に達しております。

前回と同様、どんでん返しや抜け道アドバイスはありません。犯してしまった過去を清算すれば法律上は新しい人生をやり直す権利を得ることができます。しかし、実社会では過去に行ってきた人生履歴を重視する風潮になってきているようです。

この問題は銀行口座凍結だけに限ったことでは無いのかもしれません。

※口座を売買した方、最初に凍結された銀行口座の凍結解除、新規で銀行口座を作る方法の相談は行っておりません。