当サイトでも定期的に危険告知をしているソフト闇金逮捕がニュースになりました。おそらく名称としてソフト闇金と言う言葉を使った逮捕ニュースは初めてではないかと思います。
そこで改めてソフト闇金は言葉のイメージだけで実際はハードな闇金であるということを書いてみようと思います。
法定金利の約91倍
逮捕劇の発端は業者が被害者に対して法定金利の約91倍という違法な金利でお金をかしつけたと報じております。この約というのがクセモノで闇金業者は難しい金利計算など一切行っておりません。
また金利計算電卓なども思っておりません。
計算式は単純で10日で3割、10日で5割という小学生でも暗算できるようなざっくりとした計算で返済額を決めております。元金を返したいと言っても、
「生活が大変だろうから安定してきたらでいいから今回は利息だけいれなよ」
と一見やさしいとも思える態度で電話をしてきますが実際には元金返済されてしまえば利息が取れないのでていよく元金返済させないだけなのです。
そしてここが大切なのですがソフト闇金も他の闇金業者も、
取れる人から絞り取る
ということなのです。この点から当サイトでは現代の闇金を出資法違反の金融業者ではなく、詐欺の一ジャンルとしてとらえているのです。
詐欺の基本も同じく、取れる人から絞り取るだからです。
さて今回の件ですが約91倍にもなったのはこうした利息返済だけさせるジャンプを多様したからであると言えます。
ジャンプとは?
まっとうな金融業者はこのような専門用語はつかいませんし、現在の闇金業者もあまり使ってはいませんが状況説明するのにとても都合がよいので当サイトではこの言葉を使います。
ジャンプとは返済日に利息だけを返済することで、元金は一切減りません。
例えば10日で5割の闇金から3万円借りたとします。この場合被害者の口座には1.5万円振込まれます。※闇金や違法金融は利息先取りです、この点に通手は後述します。
すると10日後の返済額は
3万円
になります。しかしその金額を返されてしまっては1回しか利息が取れませんので闇金は儲かりません。そこで利息だけ返してもらえればよいと営業をかけるんですね。利息だけだと、
1.5万円
になります。これがジャンプです。
さて10日で5割と言う事は月間150%ですね。年率にするとなんと1800%になります。
法定金利の上限が面率20%ですから90倍と言うことにあるわけです。今回の事件でソフト闇金のビジネスモデルが見えてきますね
ソフト闇金は月利150%で貸し付ける闇金
ニュース記事の91倍での貸付とは年利に計算し直しているため今のソフト闇金で考えると現実的ではありません。闇金業者は年単位と言う長い期間でモノを考えません。いつ捕まってしまうかもわからないわけですからリスクが大きくなるようなことはしないのです。
稼げるうちに稼ぎきる
これがソフトでもハードでも押し貸し詐欺でも短期高利でも不変の法則です。おかしく聞こえるかもしれませんが違法業者にもノルマが存在しており1ヵ月単位で収益報告をしているのです。
そこから考えればソフト闇金の最長期間は基本、1ヵ月であると考えることができます。すると彼らのビジネスモデルは150%の金利で貸し付けると言うことになってきます。
3万円借りると30日後の返済額はいくら?
10日で50%の金利ですからジャンプ3回ならば、
1.5万円×3回+3万円元金=7.5万円
融資額3万円ですから2.5倍返し
ですよね?でも実際には違うんです。なぜなら前述しましたが闇金業者の融資は利息先引きだからです。
利息の先引きとは?
銀行やまっとうな金融会社ならば100万円融資をうけたらそのままの金額がご自身の口座に振り込まれます。そして借りたお金の元本に対して利息を支払うことになります。
ところが闇金など違法業者は未払いを懸念して先に利息を引いて残りを貸すのが一般的なのです。たとえば月利50%ならば100万円の融資を受けた場合、手元に渡されるのは50万円です。そして返済額は100万円です。
これが利息の先引きです。
違法業者のこの法則をソフト闇金も適用してますから実際には下記になります
1.5万円×3回+3万円元金=7.5万円
融資額1.5万円ですから5倍返し
およそまともではありません。ソフト闇金などといってさも安全であるかのようなイメージを持たせておりますが事実はこれほどまでにむごたらしいのです。
ニュースの一部を引用します。
会社役員の松戸弘容疑者(37)ら3人は今年1月から4月までの間に、川崎市の会社員の男性(44)ら5人に違法に金を貸し付け、法定金利の最大91倍となる約50万円の利息を受け取るなどした疑いが持たれています。
引用元:法定金利“91倍”のヤミ金 多重債務者探し出し…
流出している個人情報で2時被害発生中
短いニュースではありますが中身は凝縮されれておりまさに現代の闇金を象徴しております。次の問題は彼らソフト闇金はどうやって集客していたかです。
記事によると彼らは不正に個人情報を入手し融資先を探していたと書かれています。しかも多重債務者リストと言うものを使っていたようです。
そんなものがどこにあるの?
と思う方も多いのではないでしょうか。しかし、一度でも闇金サイトに申し込みをした方ならピンと来たと思います。
そうなんです、こうした多重債務者の個人情報はネットでサイト集客をしている闇金サイトに申し込みをした被害者のデータなのです。
現在、常時30サイト以上の闇金サイトが日々、サイト名やドメインを切り替えて存在していると言われております。
そうしたデータが2次転売されているのです。
サイト闇金はお金を払って集客を行っているため一番良い状態で被害者にアタックをしますが、思うようにお金に換えられないとわかると転売者リストとしてエクセルなどにまとめて1人5,000円などといった金額で販売してしまうのです。
このデータを買っているのが今回逮捕された闇金グループなのです。ソフト闇金は検索エンジン対策を施した自社サイトを展開する一方でこのような個人情報リストを不正に購入しているのです。
闇金と知らずに申し込みをしてしまったがゆえにこうしたソフト闇金から毎日電話がかかってしまって困るという被害相談も昨今、増えてきているのです。
携帯電話買取詐欺業者が増えたことにより警察の矛先が白ロムグループに向けられている中、ソフト闇金が盛り上がりをみせてきております。闇金というジャンルは常に下記の3つがシェアを取りあいながらぐるぐるとローテーションしているのです。
10年変わらない闇金業者の手口
・融資保証詐欺
・商品買取詐欺
・押し貸し詐欺(ソフト闇金含む)
繰り返しになりますがソフト闇金なんて言葉のイメージに決して騙されないでください。また関係を続けることで被害者さん自身が詐欺の共犯と誤認される場合がありますので一刻も早く関係を断ち切ることが大切です。